2011年5月12日木曜日

九州新幹線に試乗して 住田俊介 A班 

 九州新幹線の試乗会(2月24日)には、どうしても全線に乗りたいグループ(A班)と、博多―熊本往復組(B班)の2班に分かれて、計32人が参加した。A班は羽田空港から日航機で鹿児島に飛び、知覧観光のあと指宿に前泊しての1泊2日の旅。B班は鉄道マニアが多く、それぞれが博多までの行き帰りにも工夫を凝らしての旅だったらしい。報告をお読みください。














 2010年12月4日の東北新幹線の完成に続き、2011年3月12日、九州新幹線の鹿児島ルート(博多・鹿児島中央間、256・8㌔)が全線開通することとなった。これによって、本州の北から九州の南までが、1本のレールによって結ばれた。
 全線開通に先立ち、2月24日、九州新幹線に試乗した。前日、東京から鹿児島に向かう飛行機からは、霧島山の新燃岳や桜島の噴煙が立ち上っているのが見えた。この火の国に新幹線が一部開業したのは、2004年3月13日、新八代・鹿児島中央間(126・8㌔)であった。交通ペンクラブはこの時にも試乗したので、今回が2度目である。交通ペンクラブの曽我健代表以下24人が鹿児島から乗車(別途、福岡からは8人が乗車)した。
 当日、鹿児島中央駅に集合し、駅を9時41分に出発、博多に向かい、熊本駅、新鳥栖駅に停車の後、11時09分博多駅に到着した。列車に乗車したまま折り返し、11時24分に博多駅を出発、途中5駅に停車の後、13時12分、鹿児島中央駅に到着した。暖かい快晴の日で、新幹線の沿線の地形が短時間に地図どおりに変化していく様子が体験できた。雲仙の普賢岳からも噴煙(あるいは蒸気)が立ち上っているのが、はっきりと見えた。
 試乗した列車は、N700系新幹線電車をベースにした8両編成の列車で、新大阪・鹿児島中央間の運行用として製作された。この列車には、一部開業時の800系新幹線電車には設けられていなかったグリーン車が設けられ、また、800系の普通車の座席はすべて4列であったが、N700系の普通車のうち指定席は4列、自由席は5列となった。車内の手すりやテーブルなどには本物の木材が使われており、やすらぎや癒やしが得られることを目的としている。言わば、相互直通運転をする西日本旅客鉄道と九州旅客鉄道との中間のような仕様にされたように思う。乗り心地は、本州3社に運行されている列車とほとんど同じであるが、トンネル以外の明かり区間では、防音壁がやや多いように感じた。招待して下さった九州旅客鉄道に対し、謝意を表する。
(平成23年2月27日記、元国土交通省)


 参加者は次のとおり(敬称略)
 A班=石神源助、荻原正機、柏靖博、川野政史、隈部紀生、菅建彦、鈴木隆敏、住田俊介、曽我健、竹内哲夫、辻勝、堤哲、西田博、平野雄司、牧久、松浦和英、吉澤眞、十河光平、佐藤俊恵、栗原稔枝▽日本交通協会=高山順子、金澤洋子▽元NHK福岡放送局長、飯野毅紀・七生夫妻