2009年8月1日土曜日

遺骨収集の野口さんと対談

 柳井乃武夫さんとアルピニスト野口健さんの対談が、7月下旬に発売された月刊誌「問題小説」8月号(徳間書店発行)に掲載された。 野口さんは、ヒマラヤ登山の「マイナス30度の強風の吹きすさぶテントの中で」生きて帰れたら、遺骨収集にあたろうと決心する。生死の間で、祖父から聞いた太平洋戦争末期の南洋の島で戦死していった兵士の話を思い出したのだ。 昨年3月、フィリピン・セブ島に渡って、遺骨収集作業を行った。そして柳井さんの著書『万死に一生~第一期学徒出陣兵の隊手記』(徳間文庫)に出合った。ことし3月、3回目のフィリピンへ。柳井さんたちの戦闘現場、セブ島、レイテ島、ポロ島で1406体の遺骨を収集し、遺骨とともに帰国した。 つい最近まで民間団体による「遺骨収集」は許可されていなかった。「灼熱地獄のジャングルをさ迷い、必死の思いでご遺骨を発見してもどうにもすることができなかった」と野口さんは口惜しい思いをブログに書いている。これを読んだNPO法人「空援隊」(本部・京都、倉田宇山代表)が協力を申し出た。この団体は「何が何でも遺骨を祖国に還す」とセブ島に現地事務所まで作って遺骨収集をしているのだ。今では厚生労働省もこの空援隊の情報をもとに政府の収集団を派遣しているという。 対談の内容は、雑誌が発売前なので不明である。野口さんから拝借した写真を掲載したい。