七夕総会の参加者は47人。最長老は元読売新聞の魚住明氏で7月30日に91歳の誕生日を迎えた。昨年度に著作を出された会員が4人。「やっとペンクラブらしくなりましたね」とある会員からいわれた。ロバートソン黎子夫妻がワシントンに戻られる歓送会も兼ね、JTBの女性広報室長も初参加して、にぎやかな一足早い暑気払いとなった。
4人の会員作家が誕生
曽我健代表幹事がまず収支報告。次いで4人の作家が誕生したことを報告した。元NHKの古屋成正(ペンネーム・松原誠)氏が『碧眼の叛逆児天草四郎』(日本放送出版協会刊)、元日本交通協会会長の柳井乃武夫氏が『巴里の街角から』(交通新聞サービス刊)、元産経新聞の鈴木隆敏氏が『新聞人福澤諭吉に学ぶ――現代に生きる「時事新報」』(産経出版刊)、元日本経済新聞の牧久氏が『サイゴンの火焔樹』(ウェッジ刊)をそれぞれ出版した。
次いで2011年に東京駅が創建時の姿に復元開業するのに合わせ「交通ペンクラブ解散」を改めて宣言。来年の総会でフェードアウトの具体策を提案する。
来賓のあいさつはJR東日本副会長で、UIC(国際鉄道連合)会長の石田義雄氏。「せっかくの交通ペンクラブをあわてて解散しなくてもよいのでは」と話した後、世界が新幹線時代に入ったことに触れ「UICの会長に昨年なりました。日本の新幹線を世界に売り込めといわれますが、そう簡単なことではない。フランス国鉄の幹部が視察に来て、一番欲しいものはといったら『JR東日本の社員を輸出してくれないか』といわれた。よりレベルの高い鉄道事業の運営を目指します。引き続きよろしくお願いします」とあいさつをした。
続いて元JR西日本会長の井手正敬氏がやはり「解散は時期尚早」と、交通ペンクラブの存続を訴えて乾杯の音頭を取った。
しばらく歓談のあと、4人の作家が壇上に。作家の松原誠氏は「宝塚の舞台にもふさわしいと思って宝塚に3冊送りました。NHKFMでも放送しました」。柳井氏は「国鉄広報部長の経験者で一番の年長になります。思い出話が尽きません」、鈴木氏は「慶應義塾150周年の展覧会が8月から横浜で開かれます。招待券を差し上げますので、会場で本をお買い上げいただければ幸いです」、牧氏は「日経を辞めて、恥ずかしながらジャーナリストという肩書の名刺をつくりました。どうしてもあの続編を取材しなくてはと思っています」と、それぞれが著作への思い入れを語った。
ワシントンで新幹線の売り込みを
引き続きロバートソン黎子、トーマス・ロバートソン夫妻が壇上に。「ワシントンに帰るといっても、航空券は片道だと40何万円もするので、往復のチケットを買って行き来することになります。また例会に出席するかも知れません。きょう七夕は結婚記念日。お誘いをありがたくお受けしました。オバマ大統領が新幹線の建設をいっています。ワシントンのプレスクラブに入って、日本の新幹線の売り込みが出来たらと思います」と黎子さん。ロバートソンさんは「台湾の新幹線を乗りに行ったツアーが大変印象深かった。ワシントン―ニューヨーク間に新幹線ができたらいいですね」と語った。