2011年1月31日月曜日

環境対策の講座

 JR東日本の清野智社長が昨年12月2日、早大大学院アジア太平洋研究センターで「企業経営の戦術・戦略としての環境要因―JR東日本とその環境への取り組み」と題して約2時間にわたって講義をした=写真。
 「早稲田環境塾」(塾長・原剛早大特命教授・名誉教授)の講座「環境政治と企業の行動」のひとコマ。清野社長は、鉄道会社として最も大切なことは安全対策。「安全で安定した、しかも快適な輸送こそがサービスの本質」としたうえで、グループ経営ビジョン2020―挑む―について説いた。1992年に「エコロジー推進委員会」を設置して①省エネ②ゼロエミッション③鉄道の利用促進――を環境活動の3本柱として取り組み、CO 2の削減目標は1990年を基準に、2017年32%減、2030年50%減である。
 省エネ電車やハイブリッドカーの開発は当然で、ユニークな環境対策としては鉄道林の植え替えプロジェクトがある。JR東日本の鉄道林は4200㌶(東京ドームの900倍)で、その数600万本。そのCO 2吸収量は年間1・7万㌧、JR東日本のCO 2排出量(254万㌧)の0・7%に当たる。防災と環境保全の両立を目指して2008年から20年計画で植え替え、新しい鉄道林づくりに邁進しているのだ。
 聴講生は早大の学生や環境団体などの代表や一般市民ら約100人。鉄道は環境に比較的やさしい乗り物というものの、さらなる環境対策への要望が、原塾長らから出された。