これがベルギーのリエージュ・ギュマン駅だ。素敵なデザインですね。500億円をかけ、2009年9月に完成した。流線型の大屋根は長さ200㍍、高さ35㍍。全体に丸みのあるデザイン、白を基調に太陽光をたっぷり取り入れて、明るく清潔感がある。未来志向の建築である。
設計はスペインのサンティアゴ・カラトラバ氏(1951年生まれ)。アテネ五輪の主会場、チューリヒやリスボン中央駅を手がけた。
首都ブリュッセルから東100㌔。パリ発ケルン(ドイツ)行き高速鉄道の中間駅でもある。ヨーロッパの交易の中心都市というものの、人口は約20万人。駅の利用者は1日3万6000人だ。
日本の感覚で言えば、たったそれだけの規模の駅に500億円もの投資はいかがなものか、メンテナンスが大変そう、無駄なスペースがたくさんある、もっと構内店舗を増やせる、と批判を浴びそうだ。
しかし、リエージュ市民をはじめ、ベルギー国民の多くが、この素晴らしいランドマークの登場を喜び、誇りに思っている。開業式典には、ベルギー国王も駆けつけた。「効率性や収益性だけでは語れない、プライスレスな夢に投資したプロジェクトだったように思える」と、JR東日本の国際業務部ブリュッセル連絡室の小出直哉室長は分析している。
2011年1月31日月曜日
未来の駅
ラベル: 104号