2011年1月31日月曜日

創設30周年の春祝う

新年互礼会に62人出席

 創設30周年を迎えた交通ペンクラブの新年互礼会が1月6日午後5時から日本交通協会大会議室で行われた。出席者は62人だった。ことし96歳となる年男の元国鉄総裁・仁杉巖さんをはじめ、93になる元読売新聞の魚住明さん、92歳になる元国鉄・齋藤雅男さん、元交通新聞の石神源助さんと、長寿番付ベスト10の4人が元気に参加。これまでにない大賑わいだった。
           
 曽我健代表幹事が交通ペンクラブは1981年に創設され、ことし30周年を迎えるとあいさつしたあと、JR東日本の清野智社長が「東北新幹線で3月5日にデビューする新車両E5系『はやぶさ』の試乗会にお招きします」と、お年玉。JR北海道の小池明夫会長が「東北新幹線開業効果で、道内の鉄道利用者も増えている」と話した。
 この日発表された年末年始の新幹線利用客は、JR東日本の5新幹線で334万人(前年比6%増)、東海道新幹線が292万人(7%増)、山陽新幹線が146万人(8%増)、九州新幹線が10万人(12・4%増)。昨年12月開業の東北新幹線八戸~新青森間では、前年の在来線特急と比べて18%増だった。
 続いて乾杯。音頭は最長老・仁杉さんと、JTBの広報室長、波潟郁代さん(1988年入社)。9回目のうさぎ年を迎えた大先輩の脇で「ともかくよろしくお願いします!」と波潟さん。なごやかな雰囲気の中で歓談に移った。
 午後7時前、長寿番付4位の齋藤雅男さんが中締めのあいさつ。「これまでに112カ国へ行ったが、日本の鉄道は世界一です」と意気軒昂だった。

「祝30周年」 会員ひと言集

 交通ペンクラブ創設30周年に寄せられた会員からのメッセージ



 鉄道と航空、道路交通の関係は、この30年間にもさまざまな局面がありましたが、激しい競争の中で全体としてはそれぞれが工夫をこらして世のコミュニケーションを活発にしてきました。これからの30年、リニアモーターカーの登場や格安航空の普及、国の道路交通政策などでさらに大きな変化があるでしょう。その中で安全で快適な鉄道の役割が十分果たせることを祈っています。     (隈部紀生)

 およそ30年前、交通ペンクラブ創設を祝うが如く1981(昭和56)年10月1日、大宮→盛岡に東北新幹線が開業した(3時間17分)。大宮と上野間を「新幹線リレー号」が走ったのも懐かしい。編集委員の僕は、当時「アウトドア・ライター」と称して、ほとんど出社しない記者だったから、真冬を迎える頃になって盛岡往復した。新花巻駅を過ぎてまもなく右側車窓に僻遠なる秘峰「早池峰山(1914㍍)」が見える。冠雪したその姿が燦然と現れるのだ。日本で唯一、ホンモノのエーデルワイスに近似値の「ハヤチネウスユキソウ」が咲く山。汽車旅は「山を見て、あれは何山」と名指し出来ないと面白くないのですよ。ま、それはともかく、あの時と同じ気分で交通ペンクラブ30周年のお祝いは「九州新幹線」開業です。       (諸岡達一)

 そうですか、もう30年ですか! めでたいと思う半面、牧田さん、せいさん、馬渡さんらお世話になった方々を失い、寂しいし、残念な気もします。
 僕はもう少し頑張ります。だけど、リニアまでは自信がないなあ。周りのみなさんもご健勝で……。JRは永遠に不滅です。      (松浦和英)

 せいさんに誘われて参加してもう30年もたったかとびっくりしています。今は亡き?さんはじめ幹事・世話役の皆様、ご苦労様でした。熱海にいると、せめて「こだま」が30分おきでなく、15分、20分おきだと楽なのですが……。       (阿部 恂)

 30年前、初めての会員名簿と集い。日々修羅場の競争の中にも、肝胆相照らす心意気の仲間だった報道各社諸賢。取材の都度、読書などを遙かにしのぐ該博な教養と識見を披瀝され、心洗われた国鉄等の幹部諸氏。なんと息子まで付き合ってくれたその人間味。取材拠点としては希有の香り高い世界だった。30年経た今もその馥郁たる思いは燦然として残る。弥栄!   (中林幸夫)

 クラブ創設30周年おめでとうございます。これほど長く継続してきたことに、改めて敬意を表します。?さんや堤さんのご苦労をみて、感心しています。これからもまだまだ続けられるよう、皆で応援してゆきましょう。        (竹内哲夫)
 
 30周年、まことにおめでとうございます。企業の寿命は30年と云いますが、JR北海道もその日をしっかり迎えられるよう、がんばらねばと思っています。          (小池明夫)

 2011新春クイズ
 新幹線は東海道だけは成り立つと計算していたのが1958年ごろ。それから半世紀余りで青森―鹿児島間全通。さて、北陸新幹線は全通するでしょうか。それはいつごろでしょうか?             (角本良平)
 
 せいさんのご来訪を受けて、「交通ペンクラブ創立の構想」を拝聴したのが、つい先日のような気がします。はや「クラブ」も三十路(ミソジ)に差しかかるとは感動です。会員の方々のご健勝とご幸福、ご発展をお祈りしています。   (柳井乃武夫)

  「交通ペンクラブ」創設30周年おめでとうございます。
 九州新幹線博多以南がやっと3月12日に全通します。博多開業以来、36年ぶりですから、「交通ペンクラブ」30年は、まだまだ若いです。今後の継続を期待します。     (石井幸孝)

 30年よく続いていると敬意を表します。北海道新幹線に期待しています。   (鏡谷光司)
 
 安岡干支学による“辛卯”の年は「基本を踏み、筋道を立て、断固実行して、困難を克服し、繁栄へと導く年」とされています。但し、怠ると紛糾と混乱の年。60年前、昭和26年日米講和条約批准。社会党左右分裂、マッカーサー罷免。120年前、明治24年予算案をめぐり山県内閣倒れる。大津事件発生。濃尾大地震起る。何かが予感される年のようです。皆々様に宜しく。          (井手正敬)

 30周年、誠におめでとうございます。私の30年前をふり返ると、産経新聞横浜総局で頑張っていました。「ときわクラブ」の仲間だったのは、さらにその10年前。運輸省とかけ持ちで、鉄道のおもしろさ、奥の深さを学ばせていただきました。クラブがますます歴史を刻み、発展されることを祈念いたします。               
(菅原順臣)

 お門違いですが、敢て菅さんへのメッセージを書きます。菅さんに望むこと。①長い国内景気の低迷から脱出すること。②正念場にきた沖縄基地問題を解決し、戦略的な日米の信頼関係を維持すること。③わが国の国際的地位の低下に歯止めをかけること。
 末筆ながら交通ペンクラブ30周年おめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いします。ペンクラブは楽しい会です。      (岩崎雄一)

  「今年もまた値上げだそうである。値上げ、値上げである。これでは国民の国鉄離れが進むばかりである。われわれは、いつ、どんな時でも民衆の立場で、ものを考え、意見を述べなければいけないと思っている」。昭和57年1月「交通ペン」創刊号の代表幹事の言葉である。あれから30年、JRは一度も値上げをしていない。信頼される国民の足になっている。交通ペンクラブも少しは役割を果たした、と思いたい。よき30年であった。 (曽我 健)

 30歳といえば働き盛りの壮年!今後一層のご活躍を!と言いたいところです。お互いに頑張りましょう。               (岡田 宏)
  
 国鉄→JRを通し、よきコミュニケーションの場をつくってくれました。それにしても歳月の足取りの速さにため息です。     (柏 靖博)

  世話好きのせいちゃん(せい種彦・初代事務局長)が「なにかいたずらを仕掛けているようだ」。そんな噂が囁かれていたある日、東池袋にある私のマンションにやってきた彼「これが噂の交通ペンクラブの設立趣意書だ。総会通知を作ってくれないか」。言われるままに、当時流行っていたプリントごっこで刷って三百通くらいばらまいた。
 設立当日の出席者は、ときわクラブOB41人、国鉄側がどっこいの36人。どうせ長くは続かないだろうとの観測は外れて30年も。改めて?ちゃんの顔と人気の広さに献杯。  (古林肇道)
 
 30年というので、改めて10年、20年、25年記念号を引っ張り出した。これが面白い。短く気楽な断片なだけに、本音の文章が光る。3部まとめて再版し、30年事業で皆さんにお配りしたらどうか。「血の気が引けたあの日」(10年誌)の座談会は超貴重。東京駅改築工事が完成したらペンクラブは解散というが、2012年でJR25年、2014年で新幹線50年。もう少し頑張っても良いのでないかしら。  (吉澤 眞)
 
 人も事業も一代30年とはよくいったもの。よくここまで来ましたね。“線路は続く”JR各社の皆様のおかげです。多謝、深謝とともに、各社と皆様の明日のご発展をお祈りします。              (鈴木隆敏)
 
 ときわクラブにいた頃というと、磯崎叡さんが突然、総裁の辞任を表明した日のことを思い出す。国鉄の運賃改定問題に関心を持ち、前日にも国会対策の機微などを聞きに行っていただけに、突然の辞任には驚かされた。あとで磯崎さんに「ごめん、ごめん」といわれたが、心中の思いをおくびにも表さなかった磯崎さんの顔が懐かしく思い出される。磯崎さんの自伝『あの日も列車は定時だった』に鎌倉に住んでいた小学校時代の思い出が書かれている。寿福寺の隣にあった家から横須賀線の線路を渡り、八幡宮の隣にある付属小学校に通ったというが、この道は今、私の散歩道である。 (土谷精作)
 
 交通ペンクラブの30周年を寿ぎ、歴代の代表幹事、事務局長、幹事の方々の大変なご尽力のお蔭とあらためて敬意と感謝の念を深くしています。気がかりなことは、メンバーの高齢化が進んでいることの今後の対応です。              (石田孝男)
 
 30周年おめでとうございます。30周年にふさわしい記念行事などの企画を期待しています。また、交通ペンクラブの一会員として今後のお付き合いの程、よろしくお願いいたします。     (大澤宏海)
 
 交通ペンクラブ30周年おめでとうございます。30年と云えば丁度私が昭和30年から昭和60年まで30年間国鉄に在職しましたので、同じ長さです。振り返れば本当に長い歳月だったと思います。交通ペンクラブの50周年を目指して益々のご発展をお祈り申し上げます。          (山本佳志)
 
 えっ!あれから30周年? もうそんなに……。よくぞここまで……。歴代幹事さんのご努力に脱帽。ここ数年来、各種会合・行事に欠席常習でザンキ。     (赤澤 弘)
 
 祝30周年。まだまだ「若い」と思いたいものです。先輩方のご苦労に感謝。    (牧 久)
  交通ペンクラブ創設30周年、心からお祝い申し上げます。この歴史を刻めたのは事務局の皆様の御尽力の賜物と深謝致します。今後もよろしくお願い申し上げます。     (城内秀定)
 
 30周年、誠におめでとうございます。永年にわたり温かいあと押しを頂き、感謝しております。これからも益々の御活躍を祈念しております。       (野沢太三)
 
 30周年記念お目出度うございます。今後益々ご発展祈念致します。   (増田浩三)
 
 祝30周年。30年前は、土光臨調の分割民営、片や国鉄の35万人計画、その間を「しがらみ」「余剰人員」などの初の官用語が飛び出し定着しました。
 一方、現場ではヤミ手当、ポカ休、はては酒酔い事故……国鉄の記事のない日はなし。今やニュースソースはすっかり静か。慶賀の至りですね。  (室賀 實)
 
 30周年おめでとうございます。新幹線列島直列の時代になり、もうひと花を!      (田沼 純)
 
 創設30周年おめでとうございます。定例講演会、新幹線試乗、各種催し物などタイムリーな企画に参加、思い出いっぱい。ますますのご発展を祈念いたします。       (石神源助)
 
 お目出度く存じます。30年間、我々関係者をはげましていただき有難うございます。今後も関係者の皆様のお役に立つよう活動することをお願いします。交通ペンクラブの一層の発展を祈ります。        (仁杉 巖)
 
 「まだ腐れ縁続いているの?」。かつての記者仲間の乱暴な言葉のウラに、やっかみの表情。かつての記者クラブが親睦・懇親の場として長年続いている会は、政・経・社の他のクラブにもない。「金もちより友もちの時代」。交通ペンクラブの存在は、国鉄・JRの関係者のみなさん、今の曽我代表、堤事務局長の献身と熱意のおかげ。心から感謝!         (辻 勝)
 
 私の広報部勤務は1954年で、三鷹電車区から赴任しました。三鷹で出会ったのが毎日の大澤さん(故人=交通ペンクラブ員の大澤栄作さんとは別人)でした。新幹線開業前で、十河総裁の定例記者会見に必ず同席しました。十河さんは若い補佐にも必ず声をかけ、「がんばれ」と力一杯叩かれるのには閉口しました。  (小澤耕一)
 
 30周年を心からお祝い申し上げます。小生、今年2月、喜寿です。抜いた、抜かれたの活字全盛時代を生き抜かれた皆さんと共に、これからも充実した熟年人生を送りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。              (小清水 忠)
 
 国鉄からJRへの道程を辿り、見つめてきた交通ペン。日本の鉄道は明治5年以来、約40年ごとに、国有化、公共企業体、JRへと大きく舵を切りながら発展してきました。交通ペンは役目を閉じるかも知れませんが、現役の諸兄姉に託した20年後の鉄道の姿に、思いを馳せます。私はそれを見られないと思いますが……。  (矢島明彦)
 
 恒例長寿番付拝見。心よりお喜び申し上げます。日野原先生のご本によれば長寿が常態の時代になり、昔の感覚で言うなら、男性は8掛け、女性は7掛けで考えるのが正当とか。90歳×0・8=72歳、80歳×0・8=64歳、70歳×0・8=56歳……だそうです。皆様益々お元気で!    (齋藤 蓊)

 30周年おめでとうございます。この頃、電気通信の自由化、電電の民営化の話が進み、国鉄が通信事業への参入の礎を築いた。やがて日本テレコム、Jフォンへと発展していった。
            (林 義郎)
 
 交通ペン創設30周年、まことにお目出とうございます。会員各位の連帯感と堤事務局長の責任感で非常に充実した運営が維持されているのは、本当に素晴らしいことだと思います。               (吉村雅司)
 
 創設30周年、おめでとうございます。顧みますと、幸運にも国鉄広報部に在籍中に東北新幹線と上越新幹線の開業前の試乗に、高木総裁が案内役で「ときわクラブ」の諸先輩と、私も同乗できたことが、今でも忘れることができません。「交通ペンクラブ」がますますご発展されんことを祈念して止みません。         (大場敏巳)

 交通ペンクラブ発足30周年おめでとうございます。いつも会報を拝見させていただき、皆さまのお元気な姿を見るに着け、私も頑張らなければと勇気づけられております。  (長森利春)

 交通ペンクラブ創設30周年、お祝い申し上げます。ここ数年、大幅に落ち込んだ営業成績は、昨年ようやく下げ止める兆しをみせたものの、景気回復・景気循環といった次元からほど遠い実情であります。しかしながらピンチはチャンスであり、そのチャンスは何処にあるのか、お客さまのニーズは何か、どんな企画・アイデアを出す事が出来るのか、どうすればそれは実現できるのか。私ども社員と一丸になり、チャレンジしていこうと考えております。
 今後とも交通ペンクラブ会員の皆さまの一層のご指導を賜りたいと存じます。なにとぞよろしくお願い申し上げます。(中村芳明=㈱ジェイアール東日本企画広報部長)
 
 あらためて馬渡さん、牧田さん、?さんらの懐かしい姿を思い出します。同時に、今も心地良い雰囲気を維持して頂いている仁杉さん、曽我さん、堤さんらのご苦心に感謝しています。新しいメンバーの参加も望みたいところですが、それはそれとして納得していけばいいのではないでしょうか。
 2011年の新年会で諸先輩と杯を交わしながら、「この会は自分にとっても自慢できる集いだなあ」と嬉しく感じました。揃って元気でいきましょう。          (平野雄司)




 







交通ペンクラブ30周年! 誠におめでとうございます。30年前の事どもを思い出して、感一入のものがあります。民営分割の直前で、私は民鉄協会にお世話になり、勉強させてもらっていました。懐かしい思い出です。
 それにしても30年間のクラブの運営、大変だったでしょう。会員の皆さんの努力は勿論ですが、事務局の御苦労は私共の想像を超えるものだったと思います。この状態は当然今後も続くわけで、無力な一会員ではありますが、かねがね事務局には申し訳ないなー、と思っていました。この場には不適当なコメントかも知れませんが、なんとか有力会員の皆さんのお力でしかるべき〝手〟を打って頂ければ、と思いますが如何でしょうか。  (川野政史)
新年互礼会出席者は次の通り      (敬称略)
 青木豊太、新井良亮、石神源助、石田孝男、石田義雄、魚住明、小縣方樹、大塚陸毅、岡田宏、柏靖博、上地啓理、川田啓貴、川野邊修、久谷與四郎、隈部紀生、小池明夫、小清水忠、小林正明、齋藤雅男、杉本伸明、鈴木隆敏、清野智、関原誠一、曽我健、田村修二、竹内哲夫、竹田正興、谷欣哉、谷哲二郞、柘植康英、辻勝、堤哲、冨田哲郎、中島啓雄、波潟郁代、仁杉巖、西川由朗、西田博、野沢太三、野中雅志、林義郎、平野雄司、深澤祐二、福眞峰穂、二川和弘、本田勇一郞、前川忠生、前田喜代治、牧久、松浦和英、三坂健康、水野弥彦、宮内敏男、宮澤勝己、室賀實、諸岡達一、薬師晃、山田能生、山本佳志、柳井乃武夫、吉澤眞、米山淳一

ロバートソン黎子さんの新春ワシントン便り

 青森新幹線試乗会の車中で楽しくお話させていただいたのがもう旧年中のこととなり、新しい年が来てしまいました。お元気でお過ごしのことと思います。
 こちらでも見られるNHK放送では、東京はいつもお日様マークのにこにこ顔が出てきます。世界の首都の中でも恵まれた気候の都市なのだなあという感じを持ちます。
 米東部はクリスマスに大雪に見舞われて、交通麻痺などで大変でした。ワシントンは雪が避けて通ったので、今回はホワイトクリスマスにもならず、霜の降りる日々ぐらいのものですが、昨年は記録的大雪で停電が4日も続き、原始生活を余儀なくされたので、みんな戦々恐々として天気予報を注目する日々です。
 天気予報と共に、戦死者の写真と経歴が出てくることがよくあり、胸を塞がれます。無声で画面だけが流れるのです。アメリカも戦争をして10年になり、イランとアフガニスタンの戦場に兵士を送っている家族が20万人にもなります。妻と母を合わせると、それ以上の数の「銃後の女性」がいる、ということになりますね。
 平和な日本では想像もつかないような、深い悩みと苦しみがあります。
 青森県の「東奥日報」紙と熊本県の「熊本日日」紙に、月2回「ロバートソン黎子のウーマンズ・アイ」と題された記事を書いていますが、最近そのことについて書きました。
 東奥日報紙には「ウーマンズ・アイ」のほかに、同紙のウエブ版の「Web東奥」に「なでしこおばさまサロン」という長い記事を連載していますが、そこに上記のテーマの「フラット・ダディ」について詳しく書いているので、下記を開くと読めます。
 http://www.toonippo.co.jp/blog/nadesiko/
 「Web東奥」のサイトでは、過去の記事も見られます。お暇な折にでも「なでしこサロン」へお立ちよりください。
 寒さの折、御身お大切にお過ごしください。

未来の駅

  これがベルギーのリエージュ・ギュマン駅だ。素敵なデザインですね。500億円をかけ、2009年9月に完成した。流線型の大屋根は長さ200㍍、高さ35㍍。全体に丸みのあるデザイン、白を基調に太陽光をたっぷり取り入れて、明るく清潔感がある。未来志向の建築である。
 設計はスペインのサンティアゴ・カラトラバ氏(1951年生まれ)。アテネ五輪の主会場、チューリヒやリスボン中央駅を手がけた。
 首都ブリュッセルから東100㌔。パリ発ケルン(ドイツ)行き高速鉄道の中間駅でもある。ヨーロッパの交易の中心都市というものの、人口は約20万人。駅の利用者は1日3万6000人だ。
 日本の感覚で言えば、たったそれだけの規模の駅に500億円もの投資はいかがなものか、メンテナンスが大変そう、無駄なスペースがたくさんある、もっと構内店舗を増やせる、と批判を浴びそうだ。
 しかし、リエージュ市民をはじめ、ベルギー国民の多くが、この素晴らしいランドマークの登場を喜び、誇りに思っている。開業式典には、ベルギー国王も駆けつけた。「効率性や収益性だけでは語れない、プライスレスな夢に投資したプロジェクトだったように思える」と、JR東日本の国際業務部ブリュッセル連絡室の小出直哉室長は分析している。

NHK新会長

 NHK会長にJR東海副会長(前社長)の松本正之氏(66歳)=写真=が25日就任した。松本氏は1967(昭和42)年旧国鉄入社。仙鉄局総務部長、職員局雇用対策室長、新幹線総局総務部長からJR東海へ。2004年社長、10年副会長。                       

かねやん


 交通ペンクラブの第218回例会(3月18日)は、かつて「国鉄スワローズ」の大黒柱で野球殿堂入りの金田正一さん(77歳)をお招きしているが、「カネやんから年賀状をいただいています」というのは、交通ペンクラブ会員の増田浩三さん(76歳)だ=写真。
 増田さんは慶大法学部で故佐藤栄作元首相の二男佐藤信二元衆議院議員と同期。その関係で磯崎叡元国鉄総裁―馬渡一眞元副総裁を通じて交通ペンクラブに加入した。
 鉄道マニアで、『栄光の超特急〈つばめ〉物語』(04年JTB刊)の著作があるが、「金田さんとはサザンクロスカントリー倶楽部の支配人をしている時に、読売巨人軍のゴルフコンペで見えられて以来、年賀状のやりとりを続けています」といって、30年に及ぶファイルを見せてくれた。現在は静岡県ゴルフ連盟専務理事だ。

環境対策の講座

 JR東日本の清野智社長が昨年12月2日、早大大学院アジア太平洋研究センターで「企業経営の戦術・戦略としての環境要因―JR東日本とその環境への取り組み」と題して約2時間にわたって講義をした=写真。
 「早稲田環境塾」(塾長・原剛早大特命教授・名誉教授)の講座「環境政治と企業の行動」のひとコマ。清野社長は、鉄道会社として最も大切なことは安全対策。「安全で安定した、しかも快適な輸送こそがサービスの本質」としたうえで、グループ経営ビジョン2020―挑む―について説いた。1992年に「エコロジー推進委員会」を設置して①省エネ②ゼロエミッション③鉄道の利用促進――を環境活動の3本柱として取り組み、CO 2の削減目標は1990年を基準に、2017年32%減、2030年50%減である。
 省エネ電車やハイブリッドカーの開発は当然で、ユニークな環境対策としては鉄道林の植え替えプロジェクトがある。JR東日本の鉄道林は4200㌶(東京ドームの900倍)で、その数600万本。そのCO 2吸収量は年間1・7万㌧、JR東日本のCO 2排出量(254万㌧)の0・7%に当たる。防災と環境保全の両立を目指して2008年から20年計画で植え替え、新しい鉄道林づくりに邁進しているのだ。
 聴講生は早大の学生や環境団体などの代表や一般市民ら約100人。鉄道は環境に比較的やさしい乗り物というものの、さらなる環境対策への要望が、原塾長らから出された。

交通年鑑を電子化

 財団法人交通協力会は、「交通年鑑」昭和22年版から平成21年版まで、63年分をデジタル化、インターネット上に「電子図書館・戦中戦後の交通と国有鉄道」を開館した。
 ざっと4万㌻に及び、http://trans
port.or.jp/にアクセスしてIDとパスワードを入手すれば、利用できる。敗戦直後の日本の交通はどうなっていたのか、公共企業体国鉄の発足からJR各社への分割民営化など、交通問題の資料入手が簡単にできるようになった。今後、「国鉄監査報告書」および「交通技術」、「国有鉄道」、「国鉄線」各誌を収録する予定。      

交通シンポジウム

 財団法人交通協力会は、2月22日(火)午後1時から交通シンポジウム「鉄道の将来展望―日本の物流と鉄道貨物の役割」を東京駅日本橋口サピアタワー5階「東京ステーションコンファレンス」(千代田区丸の内1の7の12、☎03・6888・8080)で開く。入場無料。
 基調講演「物流における鉄道の役割」杉山雅洋早大教授、「JR貨物の現状と課題」小林正明JR貨物社長のあと、パネルディスカッションが行われる。午後5時閉会。問い合わせは交通協力会(?03・3239・6641)へ。

訃報

 元国鉄副総裁の縄田國武さんが1月5日逝去、83歳だった。これで旧国鉄副総裁経験者はいなくなった。

例会

◇第217回例会=2月18日(金)正午~午後1時半、日本交通協会大会議室。「東大と郷里西条市に残された十河信二資料」―満鉄・興中・新幹線―東大名誉教授・原朗氏。

◇第218回例会=3月18日(金)「国鉄スワローズとともに生きて」(仮題)400勝投手・金田正一氏