在日大使館員らを招きシンポジウム JR東海が11月16日
アメリカをはじめブラジル、ベトナムなど世界中で高速鉄道の建設計画が持ち上がっている。1964年に開業以来、死亡事故ゼロを続ける東海道新幹線の運営会社・JR東海は、在日大使館員らを招いて高速鉄道シンポジウムを開く。新幹線N700系の性能や、開発中のマグレブ(超電導リニア)を知ってもらい、海外に売り込もうという作戦だ。
シンポジウムは11月16日、名古屋マリオットアソシアホテルで開く。葛西敬之会長もレクチャラーとして、国際仕様「N700―I Bullet」を紹介するなど、東海道新幹線システムの高速性、安全性と正確性、エネルギー効率性などをアピールする。終了後の深夜に米原―京都間を通常走行の速度を上回る時速330㌔で走らせ、参加者に体験乗車してもらうことにしている。
ちなみに東海道新幹線の営業車両による従来の最高速度は、91年に300系車両が同区間で記録した時速325・7㌔。営業車両による国内最高速度は、03年にJR東日本のE2系1000番台が上越新幹線の浦佐―新潟間下り線で記録した362㌔。
超電導リニアによる中央新幹線について、JR東海は南アルプスをトンネルで抜ける最短距離の南アルプスルートの場合、東京―大阪間438㌔、所要時間67分、工事費8兆4400億円で、2045年開業を想定。
このデータはJR東海が10月13日に発表したもので、木曽谷ルート(486㌔、所要73分)、伊那谷ルート(496㌔、所要74分)と比較して南アルプスルートの優位性を強調している。
リニア中央新幹線は、2025年に東京―名古屋間290㌔で開業、所要時間は40分を予定している。投資額は5兆1千億円。